おそらく diagnose という動詞は多くの日本人にとってそれほど親しみやすいものではないでしょう。
ただし、問題解決のプロセスでは、比較的よく使われる表現ですし、慣れてしまえば便利な表現なので、このページで用法について確認したいと思います。
diagnose の意味
diagnose には2つの意味があります。
- (医師などが患者の病気を)診断する、診察する≒examine
- (機械など故障の原因を)認識する、分析する、調べる、調査する
<例文1>
The doctor diagnosed my disease as type 2 diabetes.
訳)その医者は私の病気が2型の糖尿病であると診断しました。
<例文2>
I can show you steps to diagnose the problem.
訳)その問題の原因を調べるための手順を教えます。
diagnose の語源
diagnose を音節ごとに分解すると、以下のようになります。
dia-gno-se
dia は「横切る」を意味します。
例えば dia-meter と言ったら、「直径」のことですが、「直径」とは円や球体を横切るように定義されていますから、dia という接頭辞(Prefix)が使われています。
あとは、dia-logue「会話する」も同じように解釈すると、会話のキャッチボールが人々の間で横切るようなイメージを持つことが出来ます。
一方、gno は know や recognize を意味します。
上記のことから、diagnose は「物事の中を横切りながら何かを知る」という意味になるのです。
go through (物事の中を通り抜けて詳細に調べる)と考え方が似ています。
言い換えると、diagnose は
- 人間をスキャンして、その人間の問題(病気)が何であるかを認識する
- 機械をスキャンして、その機械の問題(故障の原因)が何であるかを認識する
と解釈することが出来ます。
diagnose A as/with B
diagnose A as/with B は「Aの原因がBであることを突き止める」を意味します。
この文脈のときは、どちらかと言うと with ではなく as を使った方がいいです。理由は後述します。
<例文3>
We have diagnosed the machine trouble as its inflator.
訳)我々はそのマシン故障の原因はインフレーターであることを突き止めた。
<例文4>
We diagnosed the problem as a power supply board. With the help from Mr. Smith, we were able to get our device working again.
訳)その問題の原因はパワーサプライ基板であることが分かった。スミス氏の協力を得て、我々の装置を再び稼働させることが出来た。
diagnose A with B の形
注意したいことは with B がいつもAの原因を表すわけではないということです。
例えば、「エンジンの問題」と言うとき、これを言い換えると「エンジンの中にある問題点、エンジンと一緒に存在している問題点」とすることが出来ますが、この意味で a problem with the engine と表現することあります。
diagnose A as B とは区別して考える必要があります。
<例文5>
He should be able to diagnose the problem with the engine.
訳)彼はきっとそのエンジンの問題の原因を突き止めることができるだろう。
<例文6>
I have some advises to help (to) diagnose the problem with your computer.
訳)あなたのコンピュータの問題の原因を調べる手助けとなるようなアドバイスがいくつかあります。
<例文7>
Could you tell me how to diagnose the trouble with the server?
訳)そのサーバーのトラブルの原因を探る方法を教えてもらえませんか?