今までの人生で何かしたことがある、あるいは、したことがないと言いたいときは完了形の出番ですね。
- 現在完了形: have + 過去分詞
- 過去完了形: had + 過去分詞
ここでは『今までそんなこと考えたことがない』という表現を題材にして、現在完了と過去完了の違いについて掘り下げてみたいと思います。
現在完了形が適用されるとき
例えば、友人Aさんに『もし火星に行けるとしたら何を持っていきますか?』と聞かれたとします。すると多くの人は以下のように答えるかもしれません。
<例文1>
I have never thought of that.
今までそのことについて考えたことがありません。
現在完了形というのは過去のある時点から現在まで間のことを話題にしています。
例文1の過去のある時点は、この文の主語の人物が生まれた時点です。よって日本語では「生まれてこのかた」という言い方も出来ます。
過去完了が適用されるとき
では過去完了を使うときはどんなときでしょうか?
例えば、先ほど友人Aさんから『もし火星に行けるとしたら何を持っていきますか?』と聞かれて、初めてそのことについて考えてみたとします。
その30分後に、たまたま友人Bさんと町でばったりと出くわし、Bさんに全く同じ質問をされたとします。すると過去完了形を用いて以下のように言う事が出来ます。
<例文2>
I had never thought of that.
そのことについて考えたことがありませんでした。
過去完了形というのは過去のある時点から、より現在に近い別の過去のある時点までのことを話題にしています。
例文2の場合、火星に何を持っていくかについては、もう既に検討してみたことがあるわけです。だから過去完了の否定となるのです。
例文2は、Aさんに尋ねられた時点(30分前)、その時点においては、検討したことがなかったということを意味しており、裏を返すと今の時点では検討済みであるということになります。