早速ですが、以下の単語の意味をご存知でしょうか?
- cactus
- cacti
もしあなたが「両方とも知らない」と返答したいとすると、もしかしたら
I don’t know both.
と言いたくなるかもしれません。しかし、実はこれは「両方は知らない」、つまり暗に「どちらか一方は知っている」を意味しています。
この事は我々日本人にとって本当に間違えやすいポイントの1つです。
<例文1>
I don’t know both 1 and 2.
訳)1と2の両方は知りません(1と2のどちらか一方は知っている)。
I don’t know both は間違った英語ではないにしろ、使用する場面はそう多くないと言えるでしょうね。
もしどちらか一方を知っているのであれば、具体的にどちらを知っているか答えるのが普通です。
「両方とも知りません」の言い方: 否定+either
では、どう言えば良かったのかというと、こういう場合は either を使います。
<例文2>
I don’t know either (1 or 2).
訳)私は(1と2の)どちらも知りません。
このときの either は代名詞です。either を使うときの注意点は、上記例文のとおり and ではなく or を使うことです。
一見、複雑怪奇に見える either だが、本当は難しくない
ここでは我々日本人の泣き所の1つ、either の用法について確認しておきましょう。
either (A) or (B) は「AかBのどちらでも」を意味します。
<例文3>
I can use chopsticks with either left or right hands.
訳)私は左手と右手のどちらでも箸を使うことが出来ます。
ここは非常に重要なポイントです。
either (A) or (B) の意味は、「どちらでもOKだし、どちらの可能性もあり得るが、最終的にはどちらか一方に定まることになる」ということです。
either (A) or (B) の意味を、機械的に「AかBかのどちらか一方」と覚えていると確実に混乱します。
例えば either について、以下のように教わったことがあるかもしれません。
- 肯定文+either (A) or (B): 「AかBかのどちらか一方」
- 否定文+either (A) or (B): 「AとBのどちらでもない」
この類の説明は、正直に言って合点がいきません。例えば、以下のような例文(肯定文)を考えてみてください。
<例文4>
Either Dave or Mike will show up to the meeting.
訳)デイブかマイクのどちらか一方がその会議に参加するだろう。
これはこれでOKですね。
では、例文4を否定文にしてみましょう。すると訳はどうなりますか?
<例文5>
Either Dave or Mike will not show up to the meeting.
誤訳)デイブかマイクのどちらか一方はその会議に参加しないだろう。
正訳)デイブかマイクのどちらもその会議に参加しないだろう。
さて、ここで頭の痛い問題が発生します。
肯定文+either (A) or (B) の意味が「AかBかのどちらか一方」だとすると、例文5は誤訳の方が正しい気がしてきませんか?
これは一体何が起こっているのでしょうか?
私がお勧めしたいことは、eitherを以下のように理解することです。
- 肯定文+either (A) or (B): 「AかBか、どちらの可能性もある」
- 否定文+either (A) or (B): 「AかBか、どちらの可能性もない」
このことを踏まえて、例文4をもう一度訳してみましょう。
<例文4>
Either Dave or Mike will show up to the meeting.
訳1)デイブかマイクのどちらか一方がその会議に参加するだろう。
訳2)デイブあるいはマイク、どちらもその会議に参加する可能性がある(2人一緒に参加することはないが)。
せんじつめて考えれば、訳1と2は同じこと事を言っています。
では同様に、否定文の例文5ももう一度訳してみましょう。
<例文5>
Either Dave or Mike will not show up to the meeting.
訳)デイブあるいはマイク、どちらもその会議に参加する可能性はない。
このように考えると頭の中がすっきりしませんか。
繰り返しになりますが、either (A) or (B)の意味を、「AかBかのどちらか一方」と理解しようとすると、全ての混乱の元です。
この「一方」というのが曲者で、ここが日本語と英語がうまくかみ合ってないところです。
either (A) or (B) は「AかBか、どちらの可能性もありえるよ」と言っているだけなのです。
これが否定文になったら「どちらの可能性もないよ」となるだけなのです。
より理解を深めるため、次は例文3を both で書き換えたらどういう意味になるか、考えてみてください。
<例文6>
I can use chopsticks with both left and right hands.
訳)私は両手を使って箸を使うことが出来ます。
例文6が意味することは、左手に箸の片割れを1本持ち、右手に残りの1本を持って、まるでナイフとフォークのように食事をとる奇妙な光景が目に浮かびます。
何を言いたいかというと、ここは both じゃダメだということです。either を使わないと言いたいことが表現できません。
either を使うことで「右手か左手か、どちらでもOK。でも実際に箸を使うときは、どちらか一方の手で箸を使うけどね」という意味を作ることができます。
どちらでもOKだけど、両立はしない。だから either を使うときは and ではなく or を使う必要があります。
肯定文 + neither (A) nor (B)
I don’t know either 1 or 2. (私は1と2のどちらも知りません。) は neither を使って書き換えることができます。
<例文7>
I know neither 1 nor 2.
訳)私は1も2もどちらも知りません。
英語は2重否定(double negative)を嫌うという基本原則があるはずなのですが、neither (A) nor (B) は例外です。
例文7を分解して考えると
- know: 肯定
- neither: 否定
- nor: 否定
となり、neither と nor で2重否定の形となっているように見えます。
このことはアメリカ人の友人にもどう思うか訊いてみたこともあるのですが、彼にも分からないとのことでした。よって、これはこういうものだと思うしかなさそうですね。
最後に cactus と cacti の意味
- cactus【名詞】サボテン
- cacti 【名詞】cactus(サボテン)の複数形