まずは、教科書的は疑問文の文末のイントネーションから確認したいと思います。
疑問詞なしの疑問文
以下例文のように疑問詞を伴わない場合、文末のイントネーションは上がり調子(rising intonation)になります。
<例文1>
Did you say “Hello”↑?
訳)「こんにちわ」と言ったの?
疑問詞ありの疑問文
疑問詞を伴う場合は、文末のイントネーションを下げる(falling intonation)のが基本ルールです。
<例文2>
What did you say↓?
訳)何て言ったの?
以上が、教科書的な説明であります。
ただし、このルールは半分正解で半分不正解です。実は例文2のように疑問詞を伴う疑問文でもイントネーションを上げることはよくあるのです。
以下から、例文2を例にして、どういうときに上がり調子にするのか、もしくは下がり調子にするのかの状況について確認したいと思います。
疑問詞ありの疑問文なのに上り調子にする状況
What did you say↑? というように上り調子にするありがちな状況は、「え、今何て言ったの?」という状況が多いと思います。言い換えると相手が何て言ったのか聞き取れなかったときです。「今さっき」起こったことを早く知りたいという感じです。答えが知りたくて、前のめりになっていおり、その結果としてrising intonationとなります。
あとは、相手に喧嘩をふっかけるときもあります。「お前、今何て言ったんだ?もう一回言ってみろ」とすごむ感じで、本当は何て言ったか聞こえたんだけど、喧嘩文句的な感じで使うこともあります。これまた、今さっき起こったことに注目しています。そして、上がり調子にはアグレッシブなニュアンスがあるのです。
疑問詞ありの疑問文で下がり調子にする状況
例えば、「昨日、彼女にすごく変な質問をされてビックリした」友人がと話してきたとしたら、私達は「それであなたは何て言ったの?」と言うかも知れません。こういうとき、下がり調子の基本イントネーションを使うことが多いでしょう。
この場合、「今」からちょっと距離のある「過去(昨日)」の話題でもう終わったことなので、そんなに前のめりになる必要はありません。なので、基本どおりのfalling intonationになります。もちろん、前のめり気味で尋ねたければ、その限りではありませんが。
まとめ
疑問部のイントネーションは上がり調子でも下がり調子でも、実質的には、どっちを使ってもそんなに問題はないということです。それよりも、声の調子というか言い方のほうがはるかに重要であります。