ここでは、製品設計とか、研究開発の文脈でたまに出てくる empirical と analytic という形容詞について確認します。
empirical は
「経験的な」
を意味します。一方、
analyticは
「理論的な」
を表します。
empirical と analytic は、ある特定の文脈において、対照的な関係を意味します。
<例文1>
All of the fits are empirical, not analytic.
訳)全ての変換式は経験的なものであって、理論的なものではありません
例を挙げて説明してみましょう。
製品設計の現場で実際におこなわれているのは empirical なやりかたが大半です。言い換えると、できるだけ素晴らしい「経験式」を得ることに注力します。
「経験式」とは、入力と出力がある「機能」のことです。「経験式」を得るためには、実際にシステムを作ってデータをとります。
そのシステムに何かを入力して、出力を観測しプロットしていきます。
そうすることで入力と出力の関係(経験式)が分かります。
その経験式を見れば、良い機能なのか、悪い機能なのか判断できます。また当然、入力値から出力値がどうなるか推測できるようになるのです。
これが empirical な設計方法です。
一方、analytic なやり方とは、物理の法則を使った解析的なやり方です。
例えば、電磁波を扱うような分野だったら、マクスウェルの方程式のような物理の理論式を離散化して、膨大な計算をこなして解を得るようなやり方です。よりアカデミックな方法論であると言えます。
大学では主に、analytic なことを勉強しますが、実際の製品設計の現場では empirical な方法論が大半を占めます。