make sure という表現は分かりそうで分からない表現の1つではないかと思います。
make sure には見かけ上、以下の2つの意味があるように思えるかもしれません。
- 「~を確認する」
- 「~を確実に実行する」
しかし、この解釈はあまり的を得てはいません。
make sure ~ の本質的な意味は1つで、それは「~が確実であると自信を持って言えるようにする」ということです。
何かが「確かである」と言えるようにするために、その結果を得る過程に積極的に関与できるか、できないのかによって「確認する」と「確実に実行する」の2通りの解釈があるだけなのです。
一体どういうことなのか、以下から詳しく説明していきます。
「確認する」と訳せる場合
make sure を「確認する」と訳せる場合は、主節の主語と、that節の主語が一致していないことが多いです。
<例文1>
Could you make sure (that) the Windows backup completed successfully?
ウインドウズのバックアップが正常に完了したことを確認していただけますか?
例文1を例に考えてみると、the Windows backup が正常に完了することに対して、you が何かできるわけではありません。
the Windows backup の実際の処理自体を頑張ってやるのはコンピュータですよね。
「バックアップが正常に完了した」ということが確実であると自信を持って言えるようにするため、you ができることは、コンピュータがやった結果を見て判断するということだけです。
このように、単に結果にフォーカスする場合、make sure は「確認する」とか「確かめる」という意味になります。
「確実に実行する」と訳す場合
make sure を「確実に~する」や「忘れないように~する」と訳す場合は、通常、主節の主語と、that以下の意味上の主語が一致します。
<例文2>
Could you make sure (that) you have all the tools you need for testing on two machines?
2台のマシンのテストに必要なすべての道具があることを確実にしておいていただけますか?
なぜ そうなるのかというと、「すべての道具を持っている」ということが確実であると自信を持って言うために、you は積極的に関与することができるからです。
もし足りない道具があれば、you はどこかから調達してくることが出来ます。
このように、結果を得る前の過程に十分関与できるのであれば、このときの make sure は「確実に実行する」という意味になるのです。
もし主節の主語と that 節の主語が、形式上一致していなかったとしても、そういう状態に至らしめる過程に、主節の主語が十分関与できる状況があるなら、「確実に実行する」という意味になりえます。
<例文3>
You have to make sure that Caps Lock is not on.
訳)確実にCaps Lockキーが押されていないようにしなくてはならない。
どちらの意味で解釈すべきか明確じゃない場合
上の説明では、主節とthat節の主語が一致しない場合「確認する」という意味となることが多く、意味上一致する場合は「確実に実行する」を意味する傾向があると言いました。
ただ、どちらの意味で解釈すべきか分からない場合も多くあります。
と言いますか、そもそもどちらであっても、そう困ることはありません。
例えば、以下の例文のように、「The software is at the correct version」ということに対して、話し手が、どれくらい関与できるか、あるいは努力できるのか分からないことは多くあります。
ただ、最終的な結果に注目してみれば「そのソフトウェアが確実に正しいバージョンになっていなくてはいけない」という事だけは揺るぎません。
<例文4>
I am going to make sure (that) the software is at the correct version.
訳1)そのソフトウェが確実に正しいバージョンであるようにするつもりです。
訳2)そのソフトウェアが正しいバージョンであることを確認しようとしています。
どう受け取るかは状況次第です。
<例文5>
I will check with Mike to make sure (that) the correct software version is installed.
訳)正しいソフトウェアのバージョンがインストールされているかを確認(確実に)するために、マイクに訊いてみます。
以上のように考えてみると、make sure には「確認する」と「確実に実行する」という2つの意味があるのではなく、その核となる意味は「確実であると自信を持って言えるようにする」という1つの意味しかないことが分かります。
要するに過程に関与できるか、できないのか、によって「確認する」と「確実に実行する」の2通りの解釈ができるというだけなのです。