『やばい』は主に日本の若者が使うスラングのようなものと言えるでしょう。
意味は大きく分けて2つあります。悪い意味でも良い意味でも使われるというのがポイントです。
- 悪い意味: 危ない、まずい状態だ
- 良い意味: すごい、素晴らしい
『やばい』については、どちらかと言うと悪い意味が最初にあって、そこから言葉遊び的に良い意味が編み出されたと思われます。
この感覚と同じよう表現が英語のスラングにもあります。
<例文1>
That is a sick car.
あの車はやばいね。
例文1が真に意図する意味は『あの車はカッコいい』です。すなわち “That is cool car” ということを意味しています。
このスラングは良いものをあえて真逆の言葉で表現しているのです。
<例文2>
His play was disgusting!
彼のプレーはやばかったよ!
例文2も同様に、彼のプレーを称賛しています。
“disgusting” の本来の意味は『むかつく』とか『気持ち悪い』です。
冒険もののテレビ番組などで、出演者が昆虫などを食べたときに “disgusting!”=げっ吐きそうだ!というのがノーマルな使われ方です。
このように極端に素晴らしい物事を形容するときに、あえて真逆の意味の言葉を使って表現するという感覚は、日本語の『やばい』と共通した感覚と言えそうです。
日本語と英語では言語の構造が全く違うわけで、そのことは日本人にとって英語の学びにくさの根本にあります。
ただし日本語と英語の類似性や共通した感覚に着目して、頭の中を整理しておけば、あまり脳に負担がかからない英語習得に寄与すると思います。