品質工学におけるいろいろな因子

制御因子:Control Factor

安定したシステム(最適条件)を決定するための手段。通常、直交表に割りつけられる因子(内側)。設計者が自由に用いることができるもの。

 

信号因子:Signal Factor

動特性のパラメータ設計に用いる。つまり「入力」に用いる。目標値へ合わせるための手段とも言える。制御因子を割りつけた直交表の外側に割りつけられる(多元配置される)。信号因子は静特性のシステムでは定義しない。※多元配置とは総当たり実験のこと

 

誤差因子(ノイズ):Noise Factor

システムを理想の機能からばらつかせる因子で、設計者にとってもどうにもならないもの。信号因子同様、外側に割りつけられる(多元配置される)。

・外乱:External Noise
システム内部から生じるばらつきの要因。部品の摩耗や劣化、個体差。

・内乱:Internal Noise
システムの外側から加わるばらつきの要因。環境や使用条件など。

・品物間の差:Variational Noise
例えばロット間のばらつきなど。

 

標示因子:Indicative Factor

最適条件を決定することが目的ではないが、標示因子の水準によっては制御因子や信号因子の効果に影響があることが明らかである場合、実験をおこなう上では因子として取り上げる必要がある。

要するに、標示因子とは実験をおこなう上では考慮する必要があるが、実際のところ設計者にはどうにもならないもの。誤差因子に近い概念だが、通常は直交表に割りつけられる。

実際のパラメータ設計では、1つの因子に多くの役割を持たせることも多いため、本来は制御因子であるところが標示因子的になってしまうこともある。

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