It doesn’t matter は典型的には以下のようなことを意味します。
- そんなの問題じゃないよ
- そんなこと気にしなくていいんだよ
- そんなの関係ないよ(重要なことじゃないよ)
- なんでもいいよ
注目すべきはその形です。
It is not a matter(SVC)ではなく、It does not matter(SV)なのです。
日本語で意味を考えると「それは問題ではない」ですから、そこから発想するとSVC的です。
おまけに matter と言えば「問題」という名詞の意味も確かにあるので、It is not a matter でもいけそうな感じがしますが、この言い方は一般的ではありません。(It is a matter of ~ で「それは~の問題だ」という言い方はあります)
It does not matter の matterは自動詞です。
matter【自動詞】問題となる・重要な事になる
一般論として、自動詞としての matter は否定文で使われるのが普通です。
ただし、it matters(肯定文)という言い方がないわけではありません。
日常会話で比較的ありそうな it matters(肯定文)の表現について、いくつか確認しておきたいと思います。
<例文1>
I don’t think that matters.
訳)そんなこと問題だとは思いません。
例文1を見ると、 matter が使われている文節自体は肯定文ですが、文全体では否定文です。
英語では、「否定」の部分を文の先頭に持って来るというルールがあるので、以下のように言う事は出来ません。(日本語的には自然ですが、英語では正しくありません)
I think that doesn’t matter.
訳)そんなこと問題じゃないと思います。
また、以下のように主語自体に否定の意味が込められている場合も、当然に does not は登場しません。
<例文2>
Nothing else matters.
訳)他のことはどうでもいいよ。(他に重要な事なんて何もないよ)
※その昔(1992年頃)、Metallica というアメリカのバンドが Nothing else matters という曲を発表した。ご承知のとおり Nothing else matters の matters は名詞ではなく動詞であり、matters の s は複数形の s ではなく三単元の s である。
以下のように、疑問文に対する応答という文脈で、肯定文を使うこともあります。
<例文3>
A: That doesn’t matter?
B: Yes, it matters.
訳)
A: そんなの問題じゃないよね?
B: いいえ、問題だと思います。
※英語のYes・No は常に日本語の はい・いいえ と対応するとは限らないことに注意