酒井一郎氏が提唱するSimple English Magic 81 では、たった81個の超重要例文を暗記して、かつ運用きるようになっておけば、たいていのアイデアは英語で表現できるようになるというものです。
暗記するやり方は、100回音読するなり、毎日ノートに書き取りをするなり、まあ何とでもやりようはありますね。
ただ問題は、「どうやったら運用できるようになるか?」だと思います。ここが、まさに肝ですね。
「運用できる」とは、ちゃんと自分が言いたいことを、覚えた例文の枠にあてはめて応用できるということです。
最重要な81個の例文をちゃんと暗記した上で、そこから「どうやって」運用できるレベルにもっていくかについては、実は酒井式Magic81では、あまり触れられていないのは事実です。
この部分に批判があることは確かに理解できますね。
その「どうやって」がなかったら、本屋さんで売っている1000円くらいの例文集と何が違うの?という批判は、なかなか鋭い指摘だと思います。
これについで、以下から私なりに意見を書いていきたいと思います。
覚えた81文を、どうやって実用レベルになるまで定着させるか?
それは、英語学習者が自分で考えてやっていくしかないと私は考えています。
酒井式の教科書に従えば、「そんなことをアレコレ考えている暇があったら声に出して練習したほうがいい」という風にも言えるかもしれません。
私が思う「どうやって」はアウトプットしていくことです。
例文を覚えるっていうのは完全なインプットですよね。
例文を見ながら音読してみるっていうのも、一見アウトプットっぽく見えますが、実はインプットの1種です。なぜかというと、脳に全然、負荷がかかってませんね。
インプットっていうのはラクなものなんです。
だから皆インプットばかりしているわけですね。一種の逃避とも言えるかもしれません。
結局アウトプットするには、自分のアイデアを英語の枠に当てはめて表現するときしか、できません。汗をかいたり、時には恥をかいたりしながらやるのがアウトプットなんですね。
そのときのガイドとして、酒井式の81文を使うというのが正しいやり方だと考えています。
もし、お金に余裕があるようでしたら、オンライン英会話などを利用して、汗をかきながら、恥をかきながらアウトプットしていきましょう。
お金を節約したければ、「独り言」でアウトプットしていく手もあります。身の回りのことを独り言で英語で表現してみたり、学生時代の思い出を語ってみたりするとよいでしょう。
こういうことをしていくと、「本当はこういう概念を説明したかったのだけど、言い方が思いつかなかった」という事がたくさん出てくるでしょう。
そういうときに、新しいイディオムや難しい表現を新たに覚えようとするのではなく、酒井式81文の枠で、何とかそれっぽく表現できないか検討してみてください。きっと、もっとシンプルな言い方が見つけれられると思います。
けっして完璧なニュアンスを求めないでくださいね。だいたい、同じようなアイデアが言えるというレベルで十分です。
要するに日本語の深遠な世界観を、シンプルな英語に置き換える訓練が必要なのです。そのためのアウトプットなんですね。
以上が、私が考える「どうやって」に相当する部分です。