海外への技術あるいは技術者の流出が問題視される昨今ではありますが、こと『ものづくり』においては日本が今もなおNo.1と言えるでしょう。
この理由の1つとして、ものづくりのようにコツコツ緻密に積み上げていく作業が、日本人の生真面目な性分に合っているからと言えます。
しかし、それに加えて、1950年代から日本の製造業が世界に先駆けて始めた統計的工程管理 – Statistical Process Control (SPC)の功績も大きいのです。
それ以前の日本製品のイメージはまさに「安かろう悪かろう」の「猿まね製品」でした。
Made in Japanは、笑えるほどチープで、低品質。ジョークや嘲笑の対象だった時代が確かにありました。
例えば、アメリカではその昔、学校の友達の筆箱を取り上げて「やーい、お前の筆箱はMade in Japanだー」と言ってイジメ文句的に使われていたようです。もちろん、その筆箱は本当はMade in Japan ではなかったわけですが。
ところが日本の製造業はわずか数10年で、その評価を180度変えることに成功します。世界は日本のものづくりの猛烈な追い上げに溜め息をつきながら見ていました。
まさに奇跡でした。
戦後の焼け野原から、あっという間に先進国の仲間入りをした日本の底力を見るのと似たような気分であります。
そして今度は、世界が日本の真似をしようと躍起になります。すなわち、統計的品質管理を学んで、自分達の製造工程の管理に取り入れようとしたわけです。
今度は世界が日本を「猿まね」を始めたのです。
次の記事↓