週報・月報など報告書系の文脈でよく使われる「~を完了した」という表現について確認してみましょう。
finish でも良いですが、ネイティブがよく使うのは complete です。
<例文1>
We (have) completed your test plan exactly as instructed.
訳)教えられたとおり、御社のテスト計画通りに完了しました。
使い方としては、以下のとおり単純過去形か現在完了形の両方があり得ます。
- completed + A 「Aを完了した」
- have completed + A 「Aは完了してある」
おそらく報告書の書き手の気持ち的には、現在完了形の方がしっくりくるのではないかと思います。
単なる過去形を使うと、「完了した」のは、昨日のことなのか、1年前のことなのか不明だが、過去のある時点で「完了した」という事実を述べているに過ぎません。
一方、現在完了形を使えば「完了してある」という今の状態を強調することができますので、報告書などの目的とマッチするでしょう。
例えば、上司にAという仕事の進捗を尋ねられたときに、「Aを完了しました」と言うのと「Aは完了してあります」と言うのとで、どちらがしっくりくるでしょうか?
おそらく後者でしょう。なぜなら「既に完了してある」という“今”のステータスが重要だからですよね。
ただし、報告形式にもよりますが大半の場合は、完了形を使わずに単なる過去形を使うことが多いです。
理由は、できるだけ簡潔な文にしたいという美意識があるからです。
例え英語であっても、箇条書きの報告形式だと、I や we などの主語ですら省略されるのが普通ですから。
要するに当たり前の情報は省略するということです。
よってまとめると、文書で報告する場合は、基本的に単なる過去形を使い、口語で報告するときは現在完了形を使うと良いでしょう。
<例文2>
We (have) completed the study with newly installed equipment.
訳)新たに設置された装置を用いてその調査を完了した。
<例文3>
We (have) completed the review of the competitive products vs. our products.
訳)競合製品と我が社の製品の比較調査を完了した。
<例文4>
We (have) completed our 2015 performance review.
訳)2015年の我々の成果に関するレビューを完了した。
<例文5>
We (have) completed the measurements for the previous test.
訳)前回のテストの測定を完了した。
<例文6>
We (have) completed the testing report.
訳)テスト報告書の作成を完了した。
<例文7>
We (have) completed the advance payment in dollars.
訳)ドルで前払い金の支払いを完了した。
ちなみに、complete doing (~することを完了する)としても文法的な間違いではないようですが、どういうわけかネイティブはこの言い方をあまりしないようなので、私は complete + 動名詞 の形は使っていません。
上記に示した例文のような complete + 名詞 の形を積極的に使っています。
complete は、報告形式のドキュメントで非常によく使われる表現なので、積極的に使ってみると良いでしょう。