図面の注記に「日本語表記と英語表記に差異がある場合は日本語を優先する」と英語で入れたいとき

以下の例文を参考にしてみてください。

<例文1>

In case of any conflicts between descriptions in Japanese and English, the former shall take precedence.

訳)日本語表記と英語表記に差異が(万が一)ある場合、日本語が優先となる。

 

この例文を、文法的にちょっとだけ解説しておきたいと思います

 

 

まず「~の場合」には in case of ~ を使いました。

in case of ~ はとても発生可能性が低いときにだけ使います。

日本語表記と英語表記に差異がある可能性は普通に考えて「かなり低い」ので、 in case of がぴったりです。

 

 

any ~ は「どんな~でも」という意味です。

any の直後の名詞は基本的には「複数形」の形をとります。ただし数えられない名詞の場合は当然ですが「単数形」にせざるを得ません。

また、文脈的に明らかに単数であることが、ある程度はっきり認識できている場合は「単数形」になるときもあります。

 

 

the former は「前者」という意味ですね。

例文1では先に言及された「日本語」に該当します。

日本語訳では「前者」を使わずに「日本語」をもう一度登場させています。そのほうが日本語としては自然ですから。

英語は同じ語を繰り返し使うのはカッコ悪いとされているので、動詞だったら同意語の動詞、名詞なら代名詞に置き換えて、繰り返しを避けます。これが明快かと言われれば、そうではないと言わざるを得ないですが、英語はこういう文化です。

 

 

take precedence はイディオムで「優先する」という意味です。

Precedence は名詞で「先行していること」、「優先」という意味になるので、余裕があったら覚えておきましょう。

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