結論から申し上げると It seems… と It appears… の使い分けにあまり躍起になる必要はあまりありません。
この両者の表現は、基本的に言い換え可能であると考えて差し支えないですが、感覚的には以下のような違いがあります。
seem: ~のように思われる、感じられる、考えられる
appear: ~のように見える(視覚的な印象)
経験的に、ネイティブが、このような違いに基づいて厳格に使い分けているとは思えませんので、あまり気にするようなところではないと考えています。
It seems that~: ~であると思われる
seem は話し手の主観的な印象を表します。
視覚以外の根拠を元に判断する場合 seem を使った方が好ましいとされていますが、必ずそうしなければいけないわけではありません。
<例文1>
It seems that the timing of the plasma formation is controlled by double-pulse irradiation.
訳)このプラズマ形成のタイミングはダブルパルス照射によって制御されていると思われる。
S + seem (to be) ~: Sは~であると思われる
上記のとおり形式主語の it を使わずに同じことを表現できます。
「~と思われる」と考えているのは話し手であり、話し手と文の主語が一致している必要はありません。
seem の後の (to be) は頻繁に省略されます。
<例文2>
The decline in the quality characteristic seems (to be) due to the interaction between “A” and “B.”
訳)その品質特性の低下はAとBの相互作用によるものと思われる。
S + seem to do ~: Sは~していると思われる
seem の後に続く to do は省略できません。
<例文3>
They seem to have comparable performances.
それらは同等の性能を有していると思われる。
It appears that~: ~であるように見える
appear は seem と比べてより視覚的な印象に重点を置いていると言えます。
appear の意味はご存知のとおり「姿を現す」ですから外観的な特徴を元に判断する場合に appear を使うことが好ましいとされています。
<例文4>
It appears that the real goal for their products are as good as or maybe better than our products as benchmark.
訳)彼らの製品の真の目標は、我が社の製品と同等か、おそらくそれ以上であるように見えます。
S + appears to be: ~しているように見える
appear の後の (to be) も省略可能です。
seem (to be) と同じルールです。
<例文5>
All appears (to be) within spec except the number three.
訳)3番を除けば、すべてスペックに入っているようです。
S + appears to do: Sは~しているように見える
appear の後に続く to do は省略できません。
これも seem to do と同じルールです。
<例文6>
This industry standard appears to cover many of the important topics.
訳)この工業規格はとても多くの重要なトピックをカバーしているように見えます。