Japanese knotweed という雑草を聞いたことがあるでしょうか?
私はアメリカに住んでいた時に、その存在を知りました。というのもアメリカでは Japanese knotweed はクレイジーな存在として何かと話題になっていたからです。
Japanese knotweed の日本名は「いたどり」です
ただまあ、ほとんどの日本人は知らないでしょうね。
主な生息地はもちろん、日本各地を筆頭に、朝鮮半島や台湾などにも分布していますが、今やアメリカ大陸でもそこらじゅうに生息しているようです。
日本固有の植物や生き物は、世界的に見ると、結構弱い種が多いのかなと思っていましたが、Japanese knotweed はアメリカ大陸ではもはや敵無しの存在で、あっという間に森をダメにします。
実際にアメリカで問題になっていることは、例えば、森に囲まれた清流地域に Japanese knotweed が入り込むことによって、まず木々を腐らせます。
どうやってやるのかと言うと、木々にツタを絡ませて盛り全体を覆ってしまいます。太陽光が遮断されるので、森全体がダメになっていきます。とにかく成長スピードが早いのも Japanese knotweed の特徴です。
川はすぐそばに森があって、木陰があるおかげで、冷たく保てていたはずが、Japanese knotweed のせいで結果的に温度が上がり、魚などの生き物が逃げ出します。森も死んで、生き物も消滅する、さながら死の川です。
Rhizome ってご存知でしょうか?
日本語では「根茎」とか「地下茎」という言い方をしますが。
Rhizome は地中の根っこのネットワークです1本1本が独立した根っこを持つのではなく、全部つながっています。竹もこのタイプです。
Japanese knotweed は例えば、1本引っこ抜かれると、まるで意思があるかのように周りの同種に連絡して、根っこのネットワークを強化します。つまり、1箇所でも攻撃したら最後、辺り一帯根こそぎ死滅させる必要があるのです。
あまり笑えない話
あるファームを営むあるアメリカ人男性の庭に2m x 2mくらいの範囲に Japanese knotweed が自生してしまいました。
近所の人からは『Don’t kill them』と再三忠告を受けたにも関わらず、その男性は芝刈り機で全部刈ってしまいました。
が、根っこはそのままほったらかし。
数ヵ月後には、2エーカーの農場が全て Japanese knotweed で覆われてしまいました。
知り合いに、Japanese knotweed の駆除を専門にしている人がいます。駆除というか、どちらかと言うと Japanese knotweed の侵攻を止めると言ったほうが正しいです。
- まず守りたい土地をガラスで囲みます。
- そしてその外側に Wild flower を植えて
- ガラスでさらに外側を囲みます。
そうすることによって、Wild flower が Japanese knotweed と戦ってくれるため、地続きの侵攻を防いでくれるという仕組みです。
ただ1つ問題があって、それは鳥です。
鳥が Japanese knotweed の種をくわえて、ガラスで覆われていない土地に落としたら、そこからまた Japanese knotweed の侵攻が始まり、終わりのない戦いが始まることになるのです。
私としては、米国における Japan の評判が悪くならないことをただ祈るのみです。