私が発音する circus(サーカス) は、どうも soccer(サッカー) と言っているようにネイティブには聞こえるということに気付いたのは、確か米国生活10ヵ月目くらいのことだったと思います。
本ページでは、どうしてそんなことが起こったのかについて考察してみたいと思います。
circus と soccer の発音記号
まずは、両者の発音記号を確認してみましょう。
- circus [sə:kəs]
- soccer [sa:kər]
発音記号が読める方は、何が問題だったのか大体想像がつくと思いますが、私の発音の問題点は2つありました。
1つは、「閉じる音」と「開く音」を区別できていなかったこと。
残りの1つは、[r]の口を瞬時にニュートラルの状態に戻せる瞬発力がなかったということです。
「閉じる音」と「開く音」の区別をしっかりつけること
「閉じる音」と「開く音」という言い方は、鵜田豊氏によるUDA式発音学習で使われている発音カテゴリーを表す表現です。
とても分かりやすいので引用しました。ざっくり言うと
- 「閉じる音」とは「口をあまり大きく開けない音」
- 「開く音」とは「顎を下げて口を大きく開ける音」
ということになります。
日本語では同じように「あ~」と聞こえる音でも英語には以下の2種類あります。
- [ə:]は「口をあまり開けずに “あ~” 」
- [a:]は「口を大きく開けて “あ~” 」
私の発音の1つめの間違いは「閉じる音」を「開く音」として発音していたことです。
[r]の舌の位置を瞬時にニュートラルの状態にすること
cir-cus の前半の音節 cir には [r] が入っていますので、当然 [r] の口の形を作らなければなりません。
しかし後半の音節 cus は [r] はありませんので、この音節は [r] のようにこもった音でなく、クリアに発音する必要があります。
私の発音の2つめの間違いは、cir[ser]の [r] の口の形のまま、cus[kuss]を発音しようとしていたことです。
そのようにやってしまうと kuss ではなく、kurss と発音していることになってしまいます。
soccer [sa:kər]には、後半の音節に [r] がありますから、このことと結びついて、ネイティブにとっては soccer(s) と言っているように聞こえてしまうのです。
こういったことは、なかなか一朝一夕で習得できるものではないので、日々訓練していく必要があります。
ただし、最低限、発音記号が読めて、それがどの口の形に対応するのか知っている必要があるでしょう。
私は、それが英語学習の本来のスタート地点であるべきだと考えています。