製造業の世界でよく使われる『ばらつき』を英語にするときは、だいたい “variation” を使います。
例えば、こんな文です。
<例文1>
You must control and limit variation to improve the quality of the products you make.
御社の製品の品質を改善するには、ばらつきをコントロール、制限する必要があります。
ここで、例えば以下のような日本語の文を考えてみたいと思います。
これは原因と結果を表現していると言えます。この文は日本語としては自然で、よくある言い方です。
原因と結果を英語で表現しようとするときは、原因を主語とし、結果を目的語とするのが正攻法です。それが英語の根源的なアイデアの1つです。
X produces variation in Y : X が Y のばらつきを生じさせている (X が Y のばらつきの原因である)
<例文2>
This process seems to produce some amount of variation in the length.
この工程がその寸法に若干のばらつきを生じさせていると思われます。
要するに、ここで申し上げたいポイントは、日本語のクセと、英語のクセを頭の中で整理して、自分が言いたいことを日本語から英語に変換するときのコツを掴もうということです。
日本語では『X が Y のばらつきを生じさせている』とはあまり言わないでしょうが、英語はこの語順なんですよね。
あと注意したいのは、『~のばらつき』のこの『の』は “of” ではなく “in” を使います。
英語では、ばらつきは何かの中に存在しいているという感覚で、日本語よりも物事を立体的に捉えているという特徴があります。
ところで、以下のように受動態を使う言い方もあります。日本語の感覚からするとこちらのほうが馴染むかもしれません。
しかし、英語の基本は能動態ですから、特に理由がない限りは能動態を使うのが順当です。
<例文3>
Some amount of variation in the length can be caused by the process.
その寸法における若干のばらつきは、その工程が原因となりうる。
能動態をあえて使う場合は、話の流れ上主語を目立たせたいときや、動作の主体(by ~)に関心がない場合などです。
動作の主体を明示することが重要じゃない場合、当然に “by ~” は省略されます。