想定していたよりも結果が良かった、あるいは悪かった等、過去の事実とは反対の事や願望を表現するときは、仮定法過去完了を使います。
過去の事実に反することなので、1つ時制を後ろにずらします(過去⇒過去完了)。
教科書的な仮定法過去完了の典型的な形は、if節を伴って以下のようになります。
<仮定法過去完了>
If + 主語 + had + 過去分詞…, 主語 + would (could, should, might) + have + 過去分詞
上記のIf節を条件節と云い、主節を帰結節と云います。
条件節の形は見たまま “had + 過去分詞” なので、過去完了の形です。
一方、帰結節は “助動詞 + have + 過去分詞”なので、一見現在完了の形に見えますが、ここも実は過去完了です。
これは単に直前の助動詞の作用でhad⇒haveになっているため現在完了っぽく見えてるだけなのです。
<例文1>
If I had known that fact, I would not have bought the stock.
もし、あの事実を知っていたなら、その株を買うことはなかっただろうにな。
ただし、仮定法過去完了が常にこの if節 を伴った形で用いられるわけではりません。
以下は、比較級の文のthan以下に仮定法過去完了の帰結節が単独で来る例です。
than (that) I would have liked to see: 想定(期待)していたものよりも
<例文2>
The maximum difference was a little bigger than (that) I would have liked to see.
この最大の差分は私が想定(期待)していたものよりも少し大きかった。
※もっと小さいと想定していたのになあ(過去の事実と反する⇒仮定法過去)
“than that I would have liked to see”をより直接的に和訳すると、「私が(本来)見たかったものよりも」という意味になるでしょう。
“see” という動詞はいろんなイディオムを作ることができるように、応用範囲はかなり広く、「先を見る⇒予想する、想像する」という意味でもよく使われます。
ネイティブは口癖のように “We’ll see.” や “You’ll see.” と言いますが、これは「そのうち分かるよ」という意味です。
これらは “I see(わかりました)” の応用として理解できます。