実は「わかりました」を英語で言いたいとき
I understood
とは言えない。つまり過去時制を使えません。
単に Understood と言うか、I understand と言いましょう。
上の説明は確かに正しいのですが「なんだそうだったのか」とすぐに納得できるような内容ではないでしょう。
とにかく英語の「わかりました」の周辺は、ちょっとややこしいの、一度ちゃんと整理しておいたほうがいいと思います。
まず最もベーシックな I understand。でもなぜ現在形?
日本語の「わかりました」に相当するのは、I understand です。
<例文1>
OK. Now I understand what you are saying.
訳)オーケー。いま、あなたが言っていることが分かりました。
日本語で言うと「わかりました」は過去形になりますが、英語ではなぜか現在形を使います。
ここが understand の奇妙なところです。
なぜ現在形となるのかというと、understand は状態動詞だからです。
状態動詞というのは「その動作がずっと継続している状態」を意味していますから、understand は「わかる」ではなく「わかっている(状態である)」ということになります。
過去形にして understood と言うと「わかった」ではなく「わかっていた」になってしまいます。
このように understand は状態動詞なのですが、一方で日本語の「わかる」は動作動詞みたいなものなので、ここが混乱の元になっています。
では I understood はどんな時に使うのか?
上でも説明したとおり I understood の意味は「私は分かっていた」です。
つまり「かつては分かっている状態だった」ということですね。
裏を返すと、I don’t understand now「今は分かっていません」ということを暗に意味する場合があります。
例えば I understood は以下のような文脈で使われます。
<例文2>
I understood math when I was a high school student, but now I don’t understand.
訳)私は高校生の頃は数学を理解していましたが、今は理解していません。
まとめると I understood ≒ I used to understand 「かつては理解していたんだけどなあ」なのです。
だから I understood は日本語の「わかりました、承知しました」には対応しません。
ただの Understood は何者なのか?
I understood はダメですが、ただの Understood と言えば「わかりました、了解です」の意味で使えます。
一体どういうことかと言うと、
Understood = What you mean is understood.
だからです。
要するに、ただの Understood は受け身の文の主語とbe動詞が省略された形で、これも現在形であって過去形ではないのです。
ちなみに、byで受けるはずの動作の主体も省略されていますが、それも自明だから不要なのです。
I see ≒ I understand でいいか?
ぱっと見似た感じのする I see は「わかりました」というより、相づちに近いです。
I understand と意味はそんなに遠くない感じがしますが、I see は「うん、うん、そうですよね、わかりますよ、なるほどね」という感じで、どちらかと言うと Right や Aha や I feel you などの仲間です。
I understood はダメだけど I got it は正しい
I got it は I understand の代わりに使えますし、 日本語の「わかりました」と同様、過去形なのでとても日本人には馴染みやすい表現と言えます。
なぜ過去形になれるかと言うと、get は動作動詞だからです。got は何かを「得た」という意味で、「得た」という動作は瞬間的な動作です。
だから got は日本語の「わかった」と同じような感覚で使えます。