例えば、あるロットの中に不良品が有るのか、無いのかなど、「有無」を確認したい場合はしょっちゅうありますね。
英語で「有無」を表現するやり方はいくつかありますが、ここでは【不定冠詞の条件的ニュアンス】と云われる用法をご紹介します。
【不定冠詞の条件的ニュアンス】は学校では習うことはほとんどないと思いますので、普通は知らなくて当然なのですが、技術系の仕様書とかマニュアルではよく出てくる表現です。まず、以下の例文をご覧ください。
<例文1>
A capture error will be checked except for measurement area No. 3.
訳)測定領域番号3を除いて、読み取りエラーの有無を確認する(予定である)。
どうしてこれで、「有無」を表したことになるのかピンと来ないかもしれませんが、ポイントは文頭にある不定冠詞“A”です。
不定冠詞とは“a/an”のことで、多くの日本人にとって最も馴染み深い意味は「1つの~」や「ある~」でしょうか。
この「ある~」という意味に関連しますが、不定冠詞は「存在が確定していない状態」を意味しています。
すなわち、「有るのか、無いのかわからないけど、もし有れば…」というif文に近いニュアンスを出すことができるのです。
この用法を使えば、上記の例文では主語に「有無」のif文的な役割を持たせることができるので、かなり簡潔な文章を書くことが可能になります。
技術系の文章では、日本語でも同じですが簡潔に書くことが美徳とされていますので、【不定冠詞の条件的ニュアンス】は好んで使われる表現となります。
この条件的ニュアンスは、文頭でも用いられる不定冠詞+主語(名詞)に多いのですが、述部で用いられる不定冠詞+名詞でも条件的ニュアンスを出すことが可能です。